【イベントレポート】WisH株式会社主催 女性活躍推進HRDセミナー 2019年2月5日
違いを力に変える 異文化コミュニケーション8つの指標
~グローバル化の時代に必要な真のタイバーシティ&インクルージョン~
【講演者】WisH株式会社 D&Iコンサルタント 藤原 快瑤
今回のセミナーは、昨今のダイバーシティ&インクルージョンにおける
キーワードであるアンコンシャスバイアスについて触れながら、
異文化理解のツールのワークをご体験いただきました。
【講師紹介】
WisH株式会社 D&Iコンサルタント 藤原 快瑤
一般社団法人組織協創アカデミー ファシリテーション塾認定講師
◆経歴:
早稲田大学 人間科学部スポーツ科学科卒業
国連平和大学 ジェンダーと平和構築学修士(コスタリカ)
アテネオ・デ・マニラ大学 国際政治学修士(フィリピン)
大学卒業後、韓国に渡りグローバルリーダー育成事業に4年間従事。チェコのプラハで
事業の立ち上げに携わった後、日本に帰国。その後、教育研修会社に参画し、
企業向け研修プログラムの開発から営業に従事。
その間、コーチングとファシリテーションを学び、
それを国際開発の現場で活かそうとJICAの青年海外協力隊員として、
中米のニカラグアに渡る。
途上国の農村部で2年間、性教育に携わった後、コスタリカの国連平和大学院に進学。
世界40カ国から集まった学生たちと共にジェンダーと平和構築を学ぶ中で、
世界の多様性を目の当たりにし、それが尊重される社会を実現する難しさと美しさを実感。
在学中に、LGBTコミュニティーを立ち上げ、当事者たちにとって過ごしやすい学内環境づくりに従事。
現在は、これまで様々な多様性に触れてきた経験と、培ったファシリテーションのスキルを活かし、
ダイバーシティ&インクルージョンをテーマに活動をしている。
平成28年、29年度内閣府次世代グローバル・リーダー事業「世界青年の船」において、
5大陸11か国から集まった参加者を対象に
「ダイバーシティの推進とインクルーシブ社会の実現」コース担当、
「青年国際交流会議」にて7か国から集まった参加者対象に「多文化共生」コース担当。
1、最近のダイバーシティ&インクルージョンの動き
今回のセミナー冒頭では、ダイバーシティ推進する中で、
うまくいっていること、課題、問題点、気になっていることなどを
グループごとに共有していただくことから始まりました。
共有していただいた内容としては、下記のような声がでていました。
〈うまくいっていること〉
・女性活躍推進が浸透
・女性管理職が割合が増えた
・高齢者雇用
・介護支援
〈課題・問題点〉
・女性管理職が増えたが、本当に活躍できているのか
・浸透しつつあることを、どうやって維持、継続していくか
・取り組みはしているが、どうやって浸透させていくか
・LGBT
講師より、
イノベーション、パフォーマンスを起こしていくためには、
やみくもに組織の多様性を推進するだけではダメ!
では、取り組みをする上で何が大事なのか。
大事なポイントとして、心理的安全性、アンコンシャスバイアスの重要性を理解する。
1番危険なのは、
「私は、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み・偏見)を持つわけがない」という思込み。
「私もバイアスを持つ可能性がある」と意識的になることが大切とのことです。
講師から発信されるメッセージに、
皆さんうなづき、参考になる部分をメモにとられていました。
2、組織の多様性を活かすための異文化理解:8つの指標
文化的な背景を理解することは、コミュニケーションをしていく上で重要です。
そこで、異文化を理解するツール(カルチャーマップ)をご紹介しました。
カルチャーマップとは、8つの指標を用いて文化的差異を理解できるツールで、
ビジネスにおける異文化理解に特化し、文化の違いを可視化できるのが特徴となっています。
8つの指標とはどんな切り口か。
①コミュニケーション
②評価
③説得
④統率(リード)
⑤意思決定(決断)
⑥信頼
⑦見解の相違
⑧スケジューリング
一つひとつ、事例を交えて、詳しく解説をしていただきながら、
実際にワーク体験もしていただきました。
ワークを通して、個人間の違いだけではなく、文化間の違いも体感していただけたのではないかと思います。
3、価値観の異なる人と信頼関係を築くコミュニケーション:4つの視点
価値観の異なる人と信頼関係を築くコミュニケーションツールとして、
エクスペリエンス・キューブをご紹介。
開発者であるジャービス・ブッシュ教授は、
「会話が変わることで組織が変わる」と伝えています。
組織内の葛藤や対立の5分の4はお互いがお互いのストーリーへの
思い込みや決めつけにより、一部の情報から、
あたかもそれが事実かのように作り上げることから生まれると言われています。
それをクリアにすることで、お互いの関係性が変わっていくのではないか。
と考えられ作られたツールがエクスペリエンス・キューブ(4つの視点)となります。
4つの視点とは
・観察(客観的事実)
・考え(解釈)
・して欲しいこと
・感情・気持ち
大切なポイントとして、
・「事実」と「考え」を切り離す
・「感情」と「して欲しいこと」を切り離す
事例を交えながら講師より説明がありました。
最後に、ワークに取り組んでいただき、共有していただきました。
今回は、講義形式ではなく、参加型セミナーで行いました。
ディスカッション、体験ワークを多く取り入れ、
実際に体感していただくことで、より理解が深まったのではないかと思います。
【参加者の声】実施後アンケートより抜粋
「あっという間の時間でした。例をあげて説明してくださったのがわかりやすかったです。」
「実体験に基づいて、話題が豊富、様々な視点から見ることができた。充実していた。」
「わかりやすい事例と経験を盛り込んでいただいて、理解が進みました。」
「ワークショップ参加型で、楽しく参加できました。満足しています。」
「新しい考え方や異文化コミュニケーションの指標がわかりやすかった。」
「8つの指標は目からウロコでした。自分の課員を当てはめて納得する点が多かったです。
早速活用してみようと思います。」