Diversity Caféダイバーシティ Café


ダイバーシティ Café - WisH ブログ

Vol.8 藤原加代
ダイバーシティ推進のその先にあるもの
2018.08.29

こんにちは。
はじめて、このブログを書いております、WisHの藤原です。

現在、ダイバーシティコンサルタントとして
お仕事をさせていただいています。
そろそろ、この肩書をダイバーシティ&インクルージョン・コンサルタントに
変えようかな、なんて思いはじめています。
というのも、チームや組織の多様性をやみくもに推進するだけでは、
そのチーム・組織のパフォーマンスを下げる可能性も大いにはらんでいて、
大切なのは多様性を推進すると当時にインクルーシブ(包摂的)な
風土や制度・環境を醸成することで、
そこまで見据えての関りをさせていただきたいと願っているからです。

 


【国連平和大学のガンジー銅像前にて】

 

さて、まず初めてのWisHのブログなので、
簡単に私の自己紹介をさせていただきます。
神奈川県の湘南エリアの端っこで生まれ育ち、卓球にのめりこみ過ぎて、
卓球をするために大学に進学。大学卒業後は韓国に5年間住み、
帰国後、日本の教育研修会社勤務、JICAの青年海外協力隊員、海外の大学院、
日本で研修の仕事(現在)と、とても大雑把ですがこのような流れで今に至っています。
一見、何の脈絡もないバラバラのキャリアのように見えますが、
今振り返ると、私の中では一つ一つのキャリアという点が怖いぐらいに意味があって線としてつながっています。

 

そして、今回は第1弾として、
私のファーストキャリアの地、韓国での体験から学んだことと、
私が今、自分のミッションと感じている「インクルーシブな社会」を実現するために大切にしていることを、
今回はご紹介させていただきます。

大学卒業後すぐに韓国に渡った私は、1年で韓国語を習得したのちに、
青年向けの体験型リーダーシップ育成の仕事をしていました。
一見似ているようで、全く違う日本と韓国の文化の違いを目の当たりにしながら、
日本にはない韓国の人間臭く、感情豊かでせっかちな国民性に惹かれて、結局5年間も住んでしまいました。

 

いくつか印象に残っているエピソードがあるのですが、
一つは、あるイベント会場で休憩時間にトイレに並んでいたときのことでした。
長蛇の列ができていたわけですが、いざ私の順番が来たと思ったときに、
前の韓国人のおばちゃんが、ズボンのチャックもしっかりと
締め終わらないままにだらしなく、個室から出てきました。

私は、「はしたないなー」とか
「それぐらいしっかりやってから出てきたらいいのにー」と思っていたところ、
そのおばちゃんは「こんなに並んでいるのだから、少しでも早く出ないとね」
と言いながら、出ていったのです。はっとしました。
私はたまたまその言葉を拾えたからよかったものの、人の言動を自分の限られた理解だけで、
一見で判断してはいけないと思った原体験です。

 

他にもあります。
時と状況にもよりますが、日本よりは時間に緩い傾向がある韓国では、
友達が待ち合わせ時間に遅れてくることは日常茶飯事でした。
ある時、私が待ち合わせに遅れそうなったときに、
「ごめん、遅れる」とメールしたら、韓国人の友人に「早く来い!」と怒られたわけです。
私は、「いつも、あなたたち遅れてくるくせに」と思っていたのですが、
あとからよくよく話を聞いてみると、「早く会いたかったからだ」というわけです。
友達に対してもこんなに情が深いのです。
もちろん、彼ら彼女たちがわりと気が短いというのもありますが、
私が受け取ったように「怒っていた」わけではなかったのは確かです。

上記の例は、文化の違いという切り口からの話ですが、その他、人種や世代、ジェンダー、
もっというと個人の個性など様々な観点から、
無意識の思い込みやラベリングによる行き違いは、
実はたくさん起こっているのではないでしょうか。

これまで、社会人生活のうち、9年間を海外で過ごしてきて、寄り道もたくさんしてきましたが、
インクルーシブな風土を築いていく第一歩は、自分の無意識の思い込みに自覚的になること、
自分の評価判断を保留できること、自分に見えている世界はあくまでも自分の解釈であり、
違った解釈の仕方もあるということを受け止めることではないかと思っています。

 

異国の地では想定外の「まじかっ!?」と思わされる、
私の枠を外してくれるたくさんの出来事に遭遇してきました。
しかし、それはある意味、日本社会で日本人同士の間で起こる思い込みや
決めつけから生じるすれ違いと本質は大差ないとも言えます。
帰国後、日本で逆カルチャーショックを感じることはまだありますし、
「まじかっ!?」と思う理解を超えた出来事に直面することもあります。
こうして、自分の中でとめどなく形成されていく思い込みを外していく作業は日々続くわけです。
私は、この日々の自分の中のちょっとした意識からインクルーシブな
空間は広がっていくと信じています。
そして、これまでの私の経験を日本の文脈に合わせて、
企業に還元していけたらと今の仕事をさせていただいております。

「見たいと思う世界の変化にあなた自身がなりなさい。」~マハトマ・ガンジー~

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