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HR カンファレンス2017-春-
【イベントレポート】HRカンファレンス2017-春- P&G式リーダーシップ 控えめ女性社員が開花する!3つの戦略×5つの行動指針
2017.07.18

【プログラム内容】
HR カンファレンス2017-春-[東京]
P&G式リーダーシップ 控えめ女性社員が開花する!3つの戦略×5つの行動指針
協賛:WisH株式会社

【講演者】
株式会社ディリス 杉浦里多(WisHプロフェッショナルパートナー)


今回は2017年5月17日(水)に行われた
「HRカンファレンス2017-春-[東京]」
P&G式リーダーシップ 控えめ女性社員が開花する!3つの戦略×5つの行動指針
協賛:WisH株式会社
についてのセミナーレポートをお届けします。

講演の冒頭に協賛企業である弊社WisH株式会社代表の清水美ゆきより挨拶とWisH株式会社の主なサービス紹介、杉浦講師の紹介を行った。


【杉浦里多講師プロフィール】

1996年 上智大学外国語学部フランス語学科卒業
事務職で入社した国内銀行系企業では、女性活躍に先進的な目を持っていた社長の期待から入社当日に、総合職 法人営業担当の辞令を受ける。
1997年 LVMH(モエヘネシールイヴィトン)グループ セリーヌジャパン株式会社
2000年 モーブッサンジャパン株式会社
仏高級宝飾ブランドの日本法人設立にコミュニケーションマネージャーとして関わる
2002年 P&Gジャパン
マーケティング部・広報渉外部などでP&Gブランドのコミュニケーション戦略および危機管理に携わる。
2010年 退社し独立
2011年 株式会社ディリス設立
女性のリーダーシップなど女性活躍推進のサポートや、女性をターゲットとしたマーケティングなどコンサルティングや研修・講演などの活動を行う。自身も二児を育てるワーキングマザー。

杉浦講師はP&Gを含む外資系をはじめ、様々な企業での宣伝広報などの経験を持つ。本日の講演では、その実体験からP&Gと今まで働いていた海外企業との違い、本格的なグローバル企業でダイバーシティの中で女性が活躍し続けられる理由、女性活躍の視点で会社の層を厚くするための育成のヒントを紹介した。

杉浦講師は、「なぜ今女性活躍なのか?」という根本的なテーマと、企業の抱えている勘違いによって起こる問題から語り始めた。


■なぜ今女性活躍なのか?

「この点は、企業側も女性側もまだまだ本気で考えられていません。いくら会社が『これから女性活躍に取り組みます』と言っても、女性側は『言っているだけだな』と本気でないことを感じ取ります。また女性側にも『なんで女性を取り上げるの?』とウーマンリブ的な流れだと捉える方も多い。外資企業で危機管理も担っていた個人的な感覚として、日本の企業は全体的にリスクマネジメントの意識がとても弱いと感じます。価値観が多様化し変化が激しいこの時代に生き残れるか、という危機管理の意味でも女性活躍推進は必須だと思います。中には女性活躍を実現している企業もたくさんありますが、『制度・仕組みを整えて、育休も充実させたのに、なぜ女性が活躍しないのでしょうか?』という質問が企業担当者からまだ出てきます」


■働きやすさ≠活躍しやすさ

「働きやすさと活躍しやすさは違います。日本の大企業は非常に働きやすく長年勤めている女性の方も多いのに、女性が管理職-責任を持つということに足踏みをする会社がたくさんあります。働きやすさをどんなに推進しても、活躍する人間が育つとは限らない。活躍しやすさをこれからは考えていく必要があるでしょう」


■女性“活躍”のために、企業が注意するべきポイント

① 女性に対して気を使い過ぎていないか?
「まずは、『甘やかしすぎない』ということ。これは『どちらが』ではなく『女性側も組織側も』だと思います。研修に参加した女性からは『もっと活躍したいのに上司が気を使って仕事をくれない』という声も聞きます。ぜひ女性がどういうふうに思って、何を望んでいるのかを会話(対話)から聞きだしてほしいと思います」

② Too muchな制度を導入していないか?
「育休で休んでいる間にも給与や手当を支給し続けている企業もあり(その手厚さに)驚いてしまいます。報酬は働いて成果を出している人に支払われるべきです。企業も制度を作って奨励するだけでなく、女性側にいかに働いてもらい、その評価をして、活躍してよかったと思ってもらえるものを考えてほしい」

一括りに女性と言っても結婚をしない人・する人、結婚しても子供を産まない人・産めない人・産む人、と様々です。そのような状況で「子供がいる人にばかり(手厚い)」と、そうでない他の社員が不公平感を感じのやる気を削ぐことにならないでしょうか企業にとって重要なのは、「みんな同じ」平等ではなく公平な評価です。

③ 社内にロールモデルはいるか?
「女性向け研修の中で身近なロールモデルを挙げてくださいと語りかけても、残念ながらなかなか反応がありません。女性のロールモデルがいないのはもちろんですが、男性上司にも素敵だと思える人、尊敬できる人があまりいないのです。今後、女性たちに『活躍したい、昇進したい』と思ってもらうためには、彼女たち自身が理想のロールモデルになればいいと思ってもらうこと、現在の上司たちが、昇進したらこんないいことがある、こんな素敵な人になる、と後輩や部下たちに思われるような言動をすることをぜひ促していただきたいです」


■3つの戦略

次に、今まで挙げたような課題を取り除く方法として3つの戦略について触れた。

1.女性のリーダーシップ強化
2.上司のダイバーシティマネジメント強化
3.女性活躍の具体的場づくり

1.女性のリーダーシップ強化
「女性にも『できるんだ』という自信をつけさせ、『もっと活躍したい』という気持ちを醸成していくためには、スキルよりもマインドチェンジが求められます。教育や研修を通して心の壁をうまく取り去る意識変革、行動変革することがまず必要です。」

2.上司のダイバーシティマネジメント強化
「研修を受けた後、女性がいくら『意識が変わった』と言っても『職場で上司の理解がないからやる気をなくした』というのはよくある話です。上司自身にダイバーシティの必要性を考えてもらい、女性たちをどうマネジメントしていけばいいか?を学ぶ機会を設けることが重要になります」

3.女性活躍の具体的場づくり
「研修や座学、OJTで色々と学んでも、実際に活躍する場、実践する場がないという話も多く聞きます。企業がそういった場を意識的に作っていくことで、社内から成功事例が生まれます。徐々にそれが周囲に広まり、相乗効果が高まっていくことが期待できます」


■プログラムのポイント

「女性のリーダーシップ強化のポイントとして研修で最も重要なのは、『らしさを活かすリーダーシップ力』。これは必須で実施しています。P&Gでは新入社員からリーダーシップを発揮することが求められる。また評価の査定項目は『どれだけリーダーシップを発揮したか?』のみ。女性にリーダーシップと言うと『私は前に出たくありません』と思う人が多いですが、リーダーシップとは『旗振り役になること、先頭に立つこと』ではありません。『ビジネスの成果や組織の成長にどのような影響力を与える行動ができるか』というスキルです。『影響』と言われて身近に感じられなければ、『貢献』と捉えてもいいでしょう」

「上司のダイバーシティマネジメント強化のポイントの1つ目は、対話力です。女性側は変わっても上司が変わらなのでうまくいかないといったケースがよくあります。普段から対話が足りないと、相手のできていない点ばかりに目がいき、変化には気づかないことも多い。研修中、共通のテーマで話し合うことで、上司は『女性が周囲をまとめるために裏で動いてくれていること』が分かったり、女性側は『上司がどういうビジョンを持っているか』を気づくことができます。
2つ目のポイントは、文字通りダイバーシティをマネジメントする力です。上司が多様な価値観を持つ人たちにどのようなマネジメントをしていくかを身につけてもらうことだと考えます」

「女性活躍の具体的場づくりを是非行っていただきたいとおもいます。それは必ずしも、女性だけでのチームを作るというわけではありません。男女ミックスしてプロジェクトチームなどを立ち上げて、そこでリーダーに女性がなるというやり方や、リーダーは男性でもその場のファシリテーターを女性が担当するやり方なども効果的。また、最終的に上司がひっくり返してはプロジェクト自体の意味がないので、プロジェクトオーナーとして上司がいながらも、直接コントロールをせず、外部講師がその意図をくみ取って、上手くプロジェクトを調整・サポート形が良いでしょう」


■5つの行動指針

「リーダーシップとは、『影響力のある行動』。それをP&Gでは、次の5Eという鼓動指針で表しています」

① Envision ビジョン(未来)を描く
ポジションが上になるにつれて強化したいポイント
② Engage コラボレーションする
いかにビジネスに貢献できるかという視点で能動的に動いていくことが求められる
③ Energize やる気を引き出す
個人的なやる気を引き出すだけでなく、周りの活性化やリソースの活性化も含む
④ Enable パフォーマンスを上げる
女性は育てることが得意、後輩のパフォーマンスを上げるのも上手
⑤ Execute 成果を上げる、実践する
ただアクションプランを作るだけでなく、必ず成果を上げることがセットになる
PDCAサイクルと言うが、ゴールを明確にしてG・PDCAでゴールに繋がるプランを立てることが重要

杉浦講師は女性活躍を推進していくための総括として「女性がもっと活躍していくためには、女性自身が変わることがとても大切です。そのために、まずは行動をしてください。その行動であるリーダーシップは誰でもできることです。新人でも20代でも30代、40代、50代になってもスキルアップしていけるものです。そして、その行動指針としての5Eを紹介しました。女性社員や本日お越しいただいたみなさまにもぜひ活用していただきたいと思います。」と締めくくった。


【担当プロデューサーからのメッセージ】

今回のセミナーを企画いたしました担当プロデューサーの湯口せりかです。杉浦講師は、今でこそ、キャリアの方向性を見出し、働き続けることにやりがいと、楽しみを見出していらっしゃいますが、もともとそうであったわけではありません。新卒で入社した日系の金融系企業の一般職から、いくつかの外資系の企業を経験し、P&Gには中途で入社されていますが、働いている女性の環境もそして考え方も全く違うことに、カルチャーショックを受けたそうです。結婚しても、出産しても、子育てしながらも、活躍している。仕事にやりがいを見出している女性たちが当たり前のように周りにいる!その中で働いていくうちに、仕事かプライベートかどちらかひとつ、どちらかをあきらめるという考え方はもったいない!ということに気づき、ご自身の仕事と家庭への考え方にも大きく影響を与え、現在のお仕事、女性活躍推進・ダイバーシティに関する講演やセミナーなどに注力されるようになりました。杉浦講師の言葉の中で私が一番印象に残ったのは、
企業で働く多くの女性たちは、今の仕事のまま、そこそこでいいやと【自分では選ばないこと】を選択している。主体的にキャリアをつくっていき、諦めなくても自分のペースで作っていけるということをみんな知らなさすぎる!
その言葉を聞いた時に
私自身も、もしかしたら、どちらかひとつ…そんなふうに心の底では思っているところが
あったのかもしれないなと思いました。
バリバリではなく、自分のペースでやったとしても全部諦めなくても手に入れられる。
そのためには、やり方や仕事の捉え方へのコツをつかむ必要があります。
そのコツさえつかめば、無理なく自分らしいキャリアをつくって成果を出せるようになる!
そのことをわかりやすく、そしてすぐに身につけられるマインドとスキルとして、杉浦講師は講義の中に取り入れていらっしゃいます。管理職比率を目標に掲げるもなかなか次世代の女性管理職候補が育っていないという企業さまや「リーダーなんでムリ!!」「自信ない!」「プライベートを大事にしたいからそこそこでいい」と思っている女性が多いという悩みを抱えている企業さまへ、ぜひお伝えしていきたい!と思っています。

【導入事例】
大手保険会社:一般職4~5年目(リーダー一歩手前)
仕事よりプライベートとなりがちな社員に対し、もう若手ではなく後輩もたくさんできておりリーダーシップ=影響力を発揮してほしいとのご要望で実施。
職種変更の制度を整えるなど、近年会社としても大きく変化している企業様であり、「自分なりのキャリアと能力発揮をしてほしい」という会社から発信したいメッセージの気づきのきっかけにもなり、次年度も継続での実施が決まりました。

 

WisH株式会社 湯口せりか

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