【イベントレポート】WisH株式会社主催 女性活躍推進HRDセミナー 2019年4月18日
時短社員の生産性は、復帰前の上司の握りが肝!
育休復帰社員と上司のペア対象「時短社員の生産性向上プログラム」
~時短社員だからこそ必要な、段取り力と推進力~
【講師】はぐキャリア合同会社 代表 堀江聡子 (WisH ダイバーシティコンサルタント)
今回の企画では、
育休から復帰して時短として働く社員も増加している状況下で、
ますます難しくなる現場のマネジメントにスポットライトを当てました。
「時短社員が増えれば増えるほど、周囲のメンバーの負担が重くなってしまう」
「時短以外の社員から、文句を言われて困っている」
「時短社員本人もどんどん自信を失い、モチベーションが下がっていく」
そんな八方塞がりの状況に陥ってしまう管理職も多いのではないでしょうか?
会社から求められるのは、働く時間が短くなる中でも“生産性の向上”です。
限られた時間だからこそ、何の時間を削り、何に時間を掛けるのか。
復帰前に本人とその上司がしっかり合意形成しておくことこそ、
時短で働く社員の生産性を向上させる肝となるのです。
育休から復帰予定の社員とその上司のペアで参加していただく形式の
「時短社員の生産性向上プログラム」
時短社員だからこそ必要な段取り力と推進力についてご体験いただきました。
【講師紹介】
はぐキャリア合同会社 代表 堀江聡子
WisH株式会社 ダイバーシティコンサルタント
◆経歴:
大学卒業後、学生援護会(現;パーソルキャリアに吸収合併)、リンクアンドモチベーション、
日立総合経営研修所を経て、女性のキャリアを専門としたキャリアコンサルティング事業を開始。
2015年にはぐキャリア合同会社を設立。代表に就任。
キャリア相談実績は、5,000人を超える。
一貫して企業人事に関わるパートナーとして、
採用・育成・制度設計・風土改革のコンサルティングに従事。
ターゲットの課題やニーズに応じた研修プログラム開発やプロジェクトマネジメントを得意とする。
◆資格:
・国家資格キャリア・コンサルタント
・日本経済団体連合会認定キャリア・アドバイザー 5,000人を超える女性のキャリア相談実績
・女性労働協会認定講師
・The Bob Pike Group 認定 プロフェッショナルトレーナー
1、プログラム体験
今回のセミナー冒頭では、
時短社員は少数派の“お荷物”ではなく、
働き方改革やダイバーシティ推進において、
時短の生産性は最重要課題であり、
職場においてこの共通認識を持つことが鍵である!
けして、時短社員は特別扱いする人たちの層ではない。
と講師からのメッセージからスタートしました。
自己紹介も兼ねながら、自社の時短社員とその上司について
課題共有をしていただきました。
シェアしていただいた内容としては、下記のような声がでていました。
〈課題・問題点〉
・時短社員以外の人・周囲の意識、認識のズレ
・本人の意識、認識のズレ、個人差がある
・上司、男性社員の理解不足
・評価方法
・本人にどう自信を持たせるか
・チャレンジをどう与えるか
・本人のキャパシティーの正しい理解
・仕事量、責任をどれくらい与えたらよいのか
・上司(周り)が仕事を与えない
・急な休み、遅刻、早退のサポート体制
・権利主張、制度への甘え、他の社員への影響
・時短が出来ない、突発的な時間外
・男性の育休取得率の低さ
・復帰時期
・ロールモデルがいない
・現場(営業)への復帰が難しい
講師から、時短社員の個人の意識の差や
上司の意識、認識によっても
課題は大きく変わってくるとお話しがありました。
先ず、世の中の動きをデーター参照しながら、
講師より一つひとつ解説がありました。
限られた世代だけが、問題、課題が起こるのではなく、
どの世代にも様々な問題、課題が起きてくる現状を
ご理解いただけたのではないかと思います。
実際に現在の自部署メンバーの5年後を想定するワークを体験していただきました。
ワークを通して、育児や介護により制約社員が増える可能性が少人数ではないこと、
働き方(働く時間)に制約のある社員が増加していく確率が
高くなっていくことを実感していただけたのではないかと思います。
講師より
このワークを通して、時短社員の自分たちだけが特別な存在ではないこと、
突発的な対応に対処できる職場のチームワークを高めることが重要であり、
上司は、特定の人を特別扱いするのではなく、
チームとして最も成果に結びつくようにリードしていく力が求められていくとお話がありました。
3、育休復帰の時短社員の状況と不安を知る
復帰後に想定される3つのステップ
・復帰~3ヶ月程度(意気込み期)
・復帰3ヶ月~1年半(両立不安期)
・復帰1年半後~(安定期)
両立不安期が1番大切な時期となります。
この時期は離職率が高まる時期でもあり、
この時期を乗り越えられるかどうかが肝となってきます。
上司や周囲がどう関わっていくのか!
ここが大事な課題となっていきます。
また、不安の背景として、
自分たちの母親世代と自分たち世代のギャップ。
環境変化も大きくあるとのことです。
自分を追い詰める傾向をチェックし、自覚することも大切。
そして、今後の見通しが立つことにより、
不安や葛藤を乗り越えることができるとのことです。
そのため自分自身のキャリアを長期的な視点で考えていくことが大切であり、
時短社員と上司が共通認識を持つことも大切なポイントなってくるとお話しがありました。
実際に研修でも行っている
突発的な休みや呼び出しがあった場合のシミュレーションワークを
時短社員の立場、上司の立場で体験していただきました。
シェアしていただいた内容としては、下記のような声がでていました。
講師からは、
日頃からの準備が大切。
上司側も時短社員側も日頃からの準備を
実務ベースのアクションに落としていくのかがとても大事だとお話がありました。
グループ内で共有していただくことで、同じ立場の人の考えを知ることで、
より多くの気づきを得ることができたのではないかと思います。
4、上司や職場メンバーとの関係性構築
講師より、上司や職場メンバーとの関係性構築には
「信頼残高を高める」ことが大切だとお話がありました。
信頼残高については以下の4つについて詳しく説明していただきました。
・周囲の「信頼できる上司・同僚」を思い浮かべ、共通する力は何かを考え意識する
・周囲が助けてくれる状況をつくっておく
・ペイ・フォワードを心掛ける
・認識のズレ防止
実体験に基づいての講師から発信されるメッセージに、
皆さんうなづき、参考になる部分をメモにとられていました。
【参加者の声】実施後アンケートより抜粋
「ご自身の体験を基にした細かなポイントなどが聞けて納得性が高かった」
「わかりやすく、もう少し聞きたいと思えるセミナーでした」
「具体的でわかりやすかった」
「楽しさもあり、周囲の企業の方々とも前のめりで受講できました」
「時短社員でも同じパフォーマンスを上げさせること、上げてもらえるような制度や風土が大切だと認識できた」
「具体的な情報が盛り込まれた内容で満足です」
【担当プロデューサーより】
ダイバーシティコンサルタント 添田聡美
今回は女性活躍推進のなかでも、時短社員に必要である
段取りと推進力をテーマに、ワークを通じてディスカッションをしながら、
皆さんに考えていただきました。
上記、イベントレポート本文でも記載しましたが、
時間に制約のある社員がいらっしゃる会社の課題が、多く上がっておりました。
今や、育休・産休後に復帰する女性だけでなく、
親の介護に伴い、
職場の大半が、時間の制限を要する可能性があるといわれています。
つまり、時短社員になる可能性があり、他人事ではないのです。
昨今の働き方改革、及び時短勤務での限られた時間の中で
生産性を向上させるために、
あらゆる事態を想定し仕事内容の見える化を行い
お互いを助け合っていく関係を構築していくことが必須です。
時短勤務をされている社員の方向けはもちろんのこと
上司の方に向けたコンテンツ等もございますので
まずはお気軽にご相談いただければとおもいます。